ドラギ総裁の批判を受け、エストニア独自通貨「エストコイン」計画が後退か

北欧バルト三国の一つ「エストニア共和国」は「電子国家」とも呼ばれていて、公共ナンバーをオンラインで管理していたり、インターネットを介して選挙の投票を可能にしていたりと、ITを活用したネットワークが整っているといえる国です。

ブルームバーグによると、エストニア政府は、ECB(欧州中央銀行)のマリオ・ドラギ(Mario Draghi)総裁とエストニアの金融当局にからの批判を受けて、エストニアの独自通貨「エストコイン(Estcoin)」を作るプランが後退したといいます。

エストニアの 「電子居住権(e-Residency)プログラム」

エストニアの 「電子居住権(e-Residency/イー・レジデンシー)プログラム」の担当責任者である、カスパー・コルユス氏は2017年8月に「エストコイン(Estcoin)」の開発と発行を提案しました。

「エストコイン(Estcoin)」は政府が発行する仮想通貨となることに加え、表向きはエストニアの「電子居住プログラム」の公式通貨として発展するとされていました。e-Residencyを利用すれば、私たち日本人でもエストニアの「電子国民」になることが出来ます。

またエストコインは、電子居住プログラムにおいて、電子識別システムを用いて国外から署名したり、企業を設立しようとする外国人に対する動機としての役割を果たすとされていて、注目を集めていました。

「e-Residency」とは、エストニア政府が発行している「デジタルID」のことを指します。世界中のどこからでも申請することができ、取得することでデジタル上でエストニアの「仮想居住者」になることができます。

ドラギ総裁「ユーロ圏の通貨はユーロのみ」エストコインを批判か

しかし、ECBのドラギ総裁は2017年の9月「ユーロ圏の通貨はユーロのみ。独自の通貨を導入することはできない」と述べました。

世界各国では、中央銀行が仮想通貨の発行や、ブロックチェーンを利用することで、国際送金の低コスト化や、効率化を図る構想を練っていますが「ユーロ圏の通貨はユーロで統一するべき」というドラギ氏の主張を是として、仮想通貨を受け入れることになった場合「暗号化」されたユーロが発行される可能性も考えられるのではないでしょうか。

まとめ

IT国家であるエストニア。現在「エストコイン」を導入し、様々な活用を進めようとしているものの、その計画は後退してしまったと言えます。また、EUからの圧力で国家によるものでなくなる可能性もあり得ます。エストニアのようなユーロ圏の金融政策は、政治的な一面も関わってくるため時間を要するかもしれませんが、ECBはどうのようにして仮想通貨と向き合っていくのか、今後の動向に注目が集まります。

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2018.05.24